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2010年5月22日土曜日

オフライン環境の大切さ

学生時代はAUを持ったりツーカーを持ったりしていたが、社会人になってからiPhoneを持つまではずっとwillcomのPHSを使っていた。willcomPHSのフルブラウザなんて使えたもんじゃないので、外にいる時はオフラインも同然だ。ところがiPhoneを持ってからというもの、いつでもどこでもオンラインになった。ツイッターやbrightkiteを始めたし、ブラウザだけじゃなくネットを利用する便利なアプリが山ほどあり、しかも本を読むよりラクなので、例えば喫茶店で腰を下ろしたら何となくiPhoneを取り出しいじってしまう。

これはよろしくないと思った。オフラインであれば何か考えたい時には考え、疲れている時には本を読み、それさえ気が進まない時にはボーっとして頭と目を休められたものを、全く有意義とはいえない(しかも目も頭も休まらない)作業を常にしなければならない。月額固定の通信料を払っている状態ではたくさん使ったほうがトクだという考えがそうさせる。

効率から考えれば、ネットを使うべき作業は3G+モバイル機器ではなくwifi環境+PCで行ったほうがいい。外にいるときのちょっとした時間でネット作業ができるからといって非効率な時間の使い方をしていたら、考える時間を省いたツケがさらなる効率の低下を招くだろう。気が散るものが周囲にあっては、人間考えないのだ。だから書斎にPCは置かないほうがいいし、置いたとしてもネットにつなぐべきではないと思う。

そういうわけでiPhoneは解約して、並行して使っていたPHSはwindows-mobile6.5の機種(hybrid-w03,以下灰鰤)に変更することにした。これは本体代金は高いが、無線LANのアクセスポイントになる機能を持つ。無線LANといってもPHS回線なので(本当は3G回線も選べる。それがhybridの意味なのだが、PHS回線だけ使う分には通信料が全くかからない)通信速度は遅いし、例えばiPhoneからその無線LANにつなぐのにいくつか操作を要するので解約前のiPhoneに比べたら不便なのだが、オフライン環境が重要という考え方からするとこれで十分だ。不便であるからこそ、よっぽどの理由がある時でなければネットにつないだりしない。

最近は SIMフリーのpocket-wifi のような、無線LANに対応したあらゆる機器をいつでもどこでもオンラインにするための商品がでてきている。そもそも公衆無線LANのエリア自体がどんどん広くなっているのだから、長い目で見れば人間の生活圏全体がオンラインになってしまうのかもしれない。ノイズに気を散らさずにすむ空間を構築する必要性はこれからますます重要になってくるだろう。それが書斎のような実体なのか、自己コントロールの精神的技術のようなものなのかは分からないが。