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2011年3月27日日曜日

NHK杯決勝など

来月引越しのため今日はケーブルテレビのチューナー撤去だったが、将棋のNHK杯決勝を見るため業者に来てもらうのは午後にした。ほんとは囲碁も決勝を見たかったけれども、えらく遅い時間から開始されたため間に合わず。

2年連続のカードだが去年とは先後が逆で▲羽生-▽糸谷。糸谷が1手損角換わりを選択して、後手番ながら73銀-64銀の急戦。糸谷は相変わらず着手が早いが、羽生が8筋の歩を切らせる代わりに65歩と銀を追い返して持久戦調になると、糸谷が細かく時間を使う展開になった。持ち時間が羽生>糸谷となってからはついに終局までこの大小関係が逆転することはなかった、これは珍しい!

羽生がさらに玉頭を厚くするべく▲77桂と跳ねた直後の▽42飛車から62金が恐らくいい構想、左辺の圧力を躱して先手の弱点である右辺からの攻撃を狙う。77桂は先手玉が相当弱体化するので、攻め合いになったとき先手危ないのではと思って見ていた。理想だけ言えば77桂では先に79玉とできればいいが、すると後手も42飛車としなかっただろうから別の将棋になりそうだ。

羽生は46銀を55〜66と移動させて攻防の37角を打つ。▽35歩は当然、以下先手は解説・森内好みの73角成ではなく46の位置で角を取らせる間に金銀を取り、53銀・56金・26金と執拗に飛車を攻める。これで飛車交換になればやはり先手玉が薄いのではないか・・・▽37とに当てられている▲28飛車を67まで逃げまわるのは非常にやりづらいと思ったが実戦はそうなった。

このあたり、糸谷は相変わらず時間を細かく使っているので読み筋通り進んでいたとは思えない。▽36と、と粘りに出たあとの手順はもうカオスすぎてよく分からないが、矢内さん指摘の▲46桂が入って先手分かりやすくなったのではないかと思った。それでも糸谷の59角はすごい、攻め3.5守り6.5といった感じの手で彼の柔軟性をよく表している。

感想戦では珍しく糸谷が気圧されているように感じた。どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?を読んですぐだから余計そうなのかもしれないが、糸谷のような、滅法強いのに新しいタイプを相手にしてこれだけ平然と指せるのは、やはり化け物としか言いようがない。いくら羽生に経験があるといっても、糸谷の側から見ればいくらでも研究材料があるのであり、早指しのNHK杯は年齢的にも糸谷に利するところがあるだろう。こんな結果をあと数年も許しておくわけにはいかないはずなので、巻き返しに期待したい。