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2011年7月30日土曜日

電子書籍でプロジェクトXを読もう

最近ギャラクシータブが手に馴染んでしかたない。
端末の品質としてはiPadのほうがやっぱり高いけど、いつも持っていられる重さだしプリペイドSIMが使えるのとBookストア2Dfactoがかなり充実してきているのも大きい。電子書籍を常に携帯することは、非wifi環境で充実したオフライン作業のために時間を使ういい方法だ。そういう工夫をしないと1GBのSIMなんてすぐ使いきってしまう(何よりオンライン依存になってしまう、電脳コイルの子供たちのように)。

ドコモの電子書籍ラインナップの中にプロジェクトXがある。それぞれ短編だが1冊100円で、テレビで見るよりじっくり楽しめる。今まで読んだのをリストアップしてみよう。
- 赤いメロン 〜北の大地の20年戦争
- 宇宙ロマンすばる 〜140億光年 世界一の望遠鏡
- 大阪万博 史上最大の警備作戦
- 兄弟10人 海の革命劇 〜魚群探知機、ドンビリ船の奇跡
- 決戦 人類最強の敵 〜日本人リーダー 天然痘と戦う
- 厳冬 黒四ダムに挑む
- 撃墜予告 テヘラン発 最終フライトに急げ
- 首都高速 東京五輪への空中作戦
- 悲劇のルワンダ 希望の義足(読み中)
- 100万座席への苦闘 〜みどりの窓口・世界初 鉄道システム
- ロータリー47士の闘い 〜夢のエンジン誕生からルマン制覇まで

こういうのを見ていると、戦後どうして日本が急速な経済復興を遂げたのかよく分かる。1つにはそれが「復興」だったこと、もう1つは単にみんながそれぞれの持ち場でよく頑張ったこと。
後者から補足しよう。プロジェクトXという名前の通り、これらはどれもプロジェクトと呼ぶことができる。そこには数人のキーマンがいて、彼らの技術と熱意が、その行動に人を呼び寄せ次第にプロジェクトと呼べる体裁と規模を整えていく。キーマンはもともと才能と技術を持っていることもしばしばあるが、悲劇のルワンダに出てくる元法律事務所のOLのように、プロジェクト遂行に必要な知識を全くのゼロから積み上げた人もいる。

ここで前者の「復興」がキーワードになってくる。全くのゼロから積み上げるといっても、彼女は義肢を作る名人のところに弟子入りをしている。「100万座席への苦闘」の中でJR通信課の人達がゼロからプログラミングを日立の人達に学んだことだって、技術が誰かの中に存在していたからできたことだ。たとえば世界中の人から一旦すべての知識と文明を取り上げ、彼らにドサッと専門書籍だけ渡して「はい、じゃあ今から復興してください」と神様が言ったらどうなるか。きっと日本の復興とは全く違ったものになるだろう。日本の復興が急速だったのは、知識の使い方と教え方を知っている人がいたからだ。


当然ながらマネーも重要で、資金繰りに奔走するのも資金の提供者がいるからできることなんだけども、プロジェクトの意義とそれがうまくいくビジョンを説明すれば投資主体は金を出すんだから、やっぱり基本は人のようだ。形式知を重視する人にとっては、人財なしに形式知が意味をなさないことは残念かもしれないし僕もある程度それに同意する。そう思う人は、狭義の形式知を読み出す側をセットにして大きい形式知を考えたほうがいいかもしれない。形式知に力がないんじゃなく、まだ発展途上なのだと考えれば希望が湧くと思う。